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美術鑑賞会~ひろしま美術館「ノルマンディー展」~

2015美術鑑賞01

2015美術鑑賞02


 2015年3月8日、花粉の飛び交う中、マスクをして電車に乗り、ひろしま美術館に向かった。集合時間の少し前に着くと、すでに善男善女が参集されていた。入場チケットをいただいて、案内してくださる学芸員の古谷さんともども集合写真を撮って会場に入った。
 ひろしま美術館は、広島銀行が自前で立派な印象派のコレクションを保有されている、箱物だけの美術館ではない。美術館を運営して絵を見せていただいているのはありがたいことである。今回は、オリーブ会の幹事の方々のご尽力で、学芸員の方の説明を聴きながらの鑑賞会であった。私ははじめて参加させていただいたが、正直言って内容は予想以上に充実したものだった。
 「印象派の故郷 ノルマンディー展」の鑑賞会は、まず土地の説明から始まって、産業革命のイギリスからの文化が、ここからセーヌ川を遡ってパリまで行く入口であったこと、パリからの鉄道がはじめて引かれたこと、晴れが少ないのでブドウ(=ワイン)は作られず、リンゴ(=シードル)が作られていたことなど、その時代の状況や風俗の説明と、それらを描いた絵画を見た。古谷さんは博覧強記でつぎつぎに知識がつながって吹き出してくるようだった。
 参加者が質問されていた風景の色調や、空の面積の変遷も関連する、印象派にいたる近代風景画の流れを教わった。物語ではなく風景が描かれるようになったこと、水彩絵の具、チューブ入りの油絵の具で、外に出て風景を見ながらその場で描くことがはじまったこと。それがイギリスのターナーからイザベイ、ブーダン、モネ、デュフィの印象派へと通じること。聴いていると、人類の財産というか壮大な美術の世界の一部を見ていることが実感された。説明がなければ、これはわからない。
 どなたかが質問されていた絵の値段については、学芸員さんはうまく逃げながら言われたが、高いものはモネのもので億単位ということだ。ただ、これを盗んでいってもその値段では売れないだろうし、こういう絵は人類の歴史の鎖の一環として美術館に飾られていて価値が出るものなので、値段の意味は普通の意味とは異なるだろうと思った。
 最後は、デュフィの少しデフォルメした絵のコーナーで終わったが、終わって常設展をのぞくと、モネやデュフィの絵があるのを見つけて、こうして印象派につながるということが実感できた。少なくとも、これらの絵の見方はいままでと変わったと思う。豊かで有り難い時間だった。企画実行された幹事の方々、説明された学芸員の方はじめ美術館の方々に感謝申し上げます。

(27回生 坂口 剛正)
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